つりどりみどり。

釣るし採るし観察するし撮影するし、なんなら文献も漁る。

(特殊な)一眼レフカメラの水中ハウジングをつくる(塩ビで)その1

ミラーレス一眼レフカメラのハウジングを作って、渓流に撮影に行くまでの話。

空白の1年

あけましておめでとうございます。

2024年もよろしくお願いいたします。

というか...

気がついたら、なんと1年以上もの間、何も更新していなかった。
2023年は年始の挨拶すらしてない!

といっても、この期間、何もしていなかったというわけではないんですよ。

むしろ「やり過ぎている」くらいに色々やっていた。

しかし、かなりごちゃごちゃと試行錯誤をしていて、時系列順に書いていくとゴールが見えないまま行きつ戻りつを繰り返すような感じになってしまい、こりゃいかんなと思いつつ、構成を棚上げにしているうちに月日が経ってしまった、という次第です。

そんな中でも、「塩ビ管と3Dプリンタでつくるミラーレス一眼レフカメラハウジング」(長い)というプロジェクトが割と上手くいってひととおり完結したと思うので、これからしばらく、その話を書いていこうと思います。

よければお付き合いのほど。

 

変態ミラーレス一眼レフカメラを買う

事の始まりは、オリンパス社が過去に販売していた「Air A01」というカメラを知ったところから始まる。

これがどんなカメラかというと、

「モニターなし」

「ボタン一つだけ」

「あらゆる操作と画面表示はWiFi接続したスマートフォンにやらせる」

という、大変尖ったコンセプトのカメラで、外見上は背の低い円筒にしか見えない形状をしている。

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レンズを付けても、やっぱり全体の形状は円筒状だ。

実際にはスマートフォンをドッキングすることで多少カメラっぽいシルエットにはなるのだけど、この機種が発売された当時からはスマートフォンはすっかり大型化していて取り付けができなくなっていた。

後継機種も今のところ、なし。

もうこの路線は終了ということと思われる。

なんというか、自然選択の結果生き残れなかった生物みたいなカメラだ。さもありなんという気もするけど。

これを見ているうちに、冒頭で書いたハウジングのアイデアが閃いた。

(これだけズン胴なカメラなら、パイプでハウジング作れる。スマホからWiFiで遠隔操作できるなら、中継ケーブルをつければカメラだけ水に入れて撮影ができるんじゃないか)

調べるとAir A01は中古市場で15,000円くらい。すぐにポチった。

用意するもの

まずはハウジングの本体とフタに使うパーツ。

これは塩ビの水道管と、ジョイントパーツを使用する。用意するのは

  • VU65管 適量(多分1mからしか買えない)
  • VU65ソケット 2
  • VU65キャップ 1
  • 塩ビ用接着剤
  • ポリパテ(ここではタミヤ製を使用)

ソケットとキャップはメーカーごとに外寸だけ微妙に異なるようなので、同じ所のものを買ったほうがいいと思う。私はモノタロウのを買いました。

それから、カメラのレンズ部分用のパーツ。

これはパッキン付きのネジぶたで、セキスイのモデルは真ん中にスペースがあり、フタの持ち手がちょうどレンズ部分のひさしのようになることから採用した。

ハウジングの本体を作る

まず、掃除口とソケットを接着する。

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掃除口はソケットにしっかり奥まで挿しこんでおく。

次に、VU管を3〜4cmの長さに切り、ソケット同士を接合する。掃除口のついたソケットが前側になる。

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写真はソケットの片側にVU管を接着したところ。

接着の際はソケットの端と端が密着するよう、強めに押さえると良い。

このとき、接着するソケットの端をそれぞれ5mmほどカットしておくと、短めに作れる。

ソケットを接合してから、後ろ側のソケットにも3〜4cmくらいに切ったVU管を接着しておく。

掃除口とソケット、ソケットとソケットの間にはどうしても隙間が出来てしまうので、次にこれをポリパテで埋める。

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このあと500番くらいのサンドペーパーでパテの盛り過ぎた部分を研磨して、ハウジングの本体は完成。

次にフタの部分を作ることになるが、ソケットとキャップにはネジなどは付いていないので、このままでは密閉できず防水性が確保できない。

したがってゴムのパッキンを取り付けて、圧力をかける仕掛けも作ることになるのだけど...

 

長くなるので、今回はここまで。