特殊な一眼レフカメラ、Olympus Air A01のハウジング製作記、第2回目。
今回はパーツの準備と組み立てからリークテストまで。
密閉機構をつくる
前回はフタの部分を密閉できるようにしなければ...というところで終わった。
まあ要するに、いわゆるヒンジラッチ(パッチン錠)を使って、フタにテンションをかけて、パッキンが密着するようにしてやればいい。
既製品をつけてもいいのだけど、あまり綺麗じゃなかったので、3Dプリンター(そう、更新していない間に3Dプリンターを購入していたのだった)で作ることにした。
はい(設計が決まるまでのすったもんだは割愛)。
左がボディ側、右がフタ側。
使用した樹脂はPETG。
両方ともジクロロメタンにどぶ漬けして、プリント層の微細な間隙をひと通りふさいである。
フタ側のパーツ中央に穴が開いているのは、ここにケーブルグランドをつけるため。
VUキャップの方も同じ位置に穴を開けて、パーツにはめ込む。
ちょっとずれたけど、まあいいでしょう。
ヒンジの方も作成(設計過程は以下同様)。
材質は同じPETGで、結合部分はステンレスの丸棒を使用。
これらと別に、ハウジング前方のパーツもプリントした。
以上で本体のパーツはひと通り揃った形になるけど、組み立て後に位置調整をしたいので、レンズ部分のパーツを準備する。
まあ、掃除口のフタに穴を開けるだけだけど。
ということで、組み立てに入ります。
組み立てと塗装
準備したパーツと道具は次のとおり。
今回は、ゴリラグルー(左上)を使うことにした。水分で固まるので、霧吹き(右上)も用意。
ボディを霧吹きで軽く濡らして、
パーツを接着。
前後のパーツにある小さな穴は、持ち手のパイプを指す穴なので、この時点で位置合わせしておく。
フタの方はこの後ケーブルグランドの取り付け時にやり直しが効くよう、この時点では接着しないことにした(単にVUキャップを押さえるためのパーツなので、接着してもしなくても、どちらでも良い)。
これで一応出来上がりなのだけど、このままではカッコ悪いので、これから塗装します。
塩ビは塗料が乗りにくいので、まずプライマー処理。
なお、掃除口のフタの方には、この時点でアクリルの丸板を接着済み(これもゴリラグルー使用。黄色いのはマスキングテープ)。
そして塗装。今回はつや消しブラックを使用。
パーツが出揃いました。
レンズ部分のパーツも問題なし。
とはいえ、傷つきやすい場所なので、早晩交換することになると思う。「作りやすい」「買いやすい」パーツということで、掃除口を選んでいる。
フタのパーツにケーブルグランドを取り付けた状態。
ちなみに今回使用したのは、次の製品。
- AVC(日本エイ・ヴィー・シー) コネクタ付ケーブル用スーパーグランド MG25A-06B-SD
今回、WiFi中継用ケーブルをこれまで使用してきたRG174から、より太いRG58に変更したため(断線が嫌だったから)、それに太いケーブル対応のモデルを購入した。
フタをハウジングボディにラッチで固定する。
ちゃんと「パチン」という音がして、固定が完了。
レンズ部分のパーツをねじ込み。持ち手のパイプを穴に挿入して、ひとまず完成。
最後に、前方のパーツにつけたGoProマウントに、M5のナットを埋め込む。
これで、GoPro本体や、マウント対応のLEDライトを装着できるという寸法。
こんな感じになります。
リーク(水漏れ)テスト
完成したので、オモリに縛りつけ、ケーブルをセットして風呂桶に放り込んでテスト。
一昼夜放置したけど...内部への浸水はナシ!
問題なかろうということで、次はこれにカメラをセットするためのパーツを作成する。