つりどりみどり。

釣るし採るし観察するし撮影するし、なんなら文献も漁る。

ミヤベイワナを撮ろう

ミラーレス一眼レフカメラの袋小路変異体・Olympus AIR A01のハウジングが完成したので、水中に潜らず、ずぶ濡れにもならずに、産卵期のミヤベイワナを撮影する話。

然別湖へ行く

前回はハウジングが完成したところまで書きました。

www.tsuridorimidori.com

作ったからには使わねばならぬ。

早速何か撮りに行こうと思ったのだけど、完成したのは10月。

オショロコマは何度も撮りに行っててちょっと飽きてきたし、サケもカラフトマスも川にいる時期ではあるのだが、ちょうどこの頃、知床はヒグマの出没がとんでもないことになっていた。

わざわざ危険に飛び込む真似はしたくない。

でも、せっかくなら撮りがいのあるものがいい。

しばらく考えて、然別湖のミヤベイワナに思い当たった。

時期的には、産卵のためインレットのヤンベツ川流域に遡上しているはず。婚姻色はきれいだしでかいし、撮影のしがいがある。

あの辺りにヒグマが出まくっているという話は聞かないし、いいんじゃないだろうか。

そう思って調べたら、すでに産卵期は終盤戦らしい。ゲッ。すぐに向かうことにした。

中標津弟子屈→阿寒→陸別→足寄→上士幌から糠平温泉郷を抜けて幌鹿峠を越え、250km以上、4時間以上走ってようやく然別湖に到着したら、あいにくの雨だった。

往復で500km。うちのクルマでは1タンク弱に相当する。ハイオク食いだから9000円近く移動にかかった計算だから、何も撮れずに帰った場合、かなり悲しいことになる。

さいわい、通り雨のようだったので、然別湖のビジターセンターに行って情報をいただきつつ待つこと1時間、晴れ間が見えたので舗装道路に近いところから川に下りることにした。

流入河川に入る

とりあえず、濁りは出ていないようなので、カメラを突っ込む。

オショロコマ...というか、河川残留型のミヤベイワナがいる。そりゃ全部の個体が然別湖に下るわけはないか。

降湖型のミヤベイワナは、割と流心付近に陣取っているらしい。カメラをパンしていくと…

うわあ…ゾロゾロいる。

少し探すと、鮮やかな婚姻色のオスも発見した…が、少々光の関係か色が悪い。

反対側に回り込む。

だいぶんクリアになった。発色の良いオスが見えたので、ズームしていく。

そう!こういうのが撮りたかった。

まるでアラスカやカムチャツカのドリーバーデンやホッキョクイワナのような、鮮やかな婚姻色と鼻曲がり。

ただ、本流は気泡が多いのと、やはり若干透明度が低いのか、ズームだと今ひとつボケた感じになる。

瀞場で撮ればよくピントが合うのだが。…ニジマスの幼魚がいるな。

本流の個体はただ群れているだけでペアリングしている様子もないし、場所を変えて、もう少し上流の細い流れを探すことにした。

産卵エリアへ

ヤンベツ川を遡り、地図で何となくあたりを付けた支流の一つに入ってみた。

かなり透明度が高い。

これなら期待できそうだ…と探してみると、

あ、なんかいた。

どうやら予想が当たったらしい。明らかにペアだ。

こいつはいい写真が撮れそうだと思っていたら...

こっちを向かれてしまった。

全然動いてくれない(泣)。横に回り込もうとすると警戒されて逃げられてしまい、結局、この日はこれで時間切れとなってしまった。

カメラ側でパンとチルトができるような改良が必要そうだ。

 

ちなみに、このときの操作画面はこんな感じ。PLAY OPC、かなり使いやすいアプリだと思う。少なくとも、オリンパスの公式アプリよりは段違いに良い。

 

後日談

2週間後に札幌に行く用事があったので、ついでに寄ってみたけど、無数の産卵床が残っていただけだった。

やはり結構ギリギリだったらしい。次はもう少し、早いうちから通った方がよさそうだ。