つりどりみどり。

釣るし採るし観察するし撮影するし、なんなら文献も漁る。

水中リモート撮影リグをつくる⑤ WiFi環境を改善させる 

これまでの話はこちら↓

水中リモート撮影リグをつくる① イントロダクション

水中リモート撮影リグをつくる② WiFi中継ケーブルと自撮り棒

水中リモート撮影リグをつくる③ グリップとストックの追加

水中リモート撮影リグをつくる④ ハンドガードを着けてみる

 

WiFi電波まわりを改良することにした。接続がどうにも不安定だったからだ。

WiFi電波は水中では減衰する。したがって、なるべくアンテナ部分をカメラやスマホの発信機部分に密着させる方が安定することになる。

最初は下のようにシリコンボンドで厚めのコーティングを施していた。

のだが、これだとボンドの厚さ分、アンテナがカメラ本体から遠ざかる。

そこで、アンテナ部分はラミネートで覆い、これをダクトテープないしガムテープで貼り付ける方法をとっていた。

 

ただ、この方法でも繰り返し使用するうちにテープの粘着力が水で徐々に低下し、アンテナがケーブルから外れてしまうという弱点がある。このことはGoProとTGを状況ごとに使い分けたい自分としては大きな問題だった。

カメラを交換するたび、アンテナを外して付け替えなくてはならない。このとき、どうしてもテープの粘着部分に水滴がつく。マイクロファイバーの布で拭いたりしてみたが、うまくいかなかった。

しばらく考えて思いついた。

アンテナをカメラ本体から外すのをやめたらいいんじゃないか?

つまり「カメラ側のアンテナは別々に用意して、使用中はカメラにつけっぱなしにし、切り替えの際にはカメラとケーブルを丸ごと交換する」方式だ。

これなら、取り外しを考慮することなく、アンテナをカメラに思いっきり密着させることができる。

カメラ交換時にはスマホ側のアンテナのつなぎ替えが必要になるが、これは手元付近でケーブルをコネクタでつなぎ替える方式にすれば、スマホを撮影リグに固定したままカメラの交換が可能だ。

GoPro側のアンテナケーブル

ということで、まずはGoPro用のアンテナを作ってみる。

現在使っているのは、HERO3+。この機種の場合、ハウジングにアンテナを固定する方法が使える。

GoPro純正のハウジングはもったいないので、サードパーティ製のハウジングを購入。

 

 

フタはレバーで押し付けるタイプなので、ここにアンテナを取り付けるのがよさそうだ。実際の発信部はカメラの側面だけど、スペースないし。

蓋の部分に穴を開けて、ケーブルを通し、アンテナを作ってから接着。フタの外側にはケーブルを固定するためにゴム栓を接着した。

アクアシールで接着した時の図

ちなみに、最初はアクアシールを使ってみたのだが、硬化後とっても綺麗に剥離してしまったので(下の写真)、シリコンボンドで接着しなおした。

TG-4のアンテナケーブル

次にオリンパスTG-4。

このカメラはオリンパスの純正品以外はハウジングが存在しない。そして純正品は高い。バカ高い。よって、アンテナをカメラに密着させる・押し当てるパーツで妥協することにする。

ところでこのTG-4だが、カメラは中古で買ったもので取説がついていなかった。

今回わざわざ専用パーツを作るので、今さらながら「変な間違いのないように」とオリンパスのWebサイトからフルサイズのダウンロードして、WiFiアンテナの位置を確認した。それによると…

底面にあるんだってさ!

知らなかったとはいえ、これまでずっと、アンテナはカメラ上部の「WiFi」マークのある場所に貼っていた。

逆じゃん。

そりゃ電波状況もいまいちになるはずだ。

ということで、アンテナを底面に固定する細工を作る。

アクリル板の切れっぱしを使ってベースを作り、それを1/4インチねじで固定する方式にした。

しなったりしないように、アクリル板の厚さは5mmを採用。リューターで溝を作り、ついでにカメラの底部についた突起も収まるよう、底の部分もくぼませた。

TG-4を仮付けしてみる。

アンテナをかすめるようにあけた穴を1/4カメラねじが通り、カメラとアンテナを強力に固定する(予定)。

配置は目論見通り、問題なし。

アンテナを接着して(アロンアルファ使用)、完成。

一部はシリコンボンドで補強

スマートフォン側のアンテナ

スマートフォンはiPhone11を使っているので、これまた安いハウジングが色々売っている。(中華メーカーのものだけど、性能はちゃんとしている)ので、買い替えついでに使用済みの方(モニター部分のフィルムが傷ついた)を切り裂いて、アンテナを仕込んだ。

カバーにはアルミ板を張り付けて、電波の反射を期待。

汚いとかいうな

ちょっと写真が前後してるが、次にケーブル接続部分の端子を作ります。

ケーブル端子

端子にもいろいろあるのだが、なるべく太さが変わらない方が後々使いやすい気がしたので、今回は小型かつプッシュオン式のMCX圧着コネクタを使ってみた。

 

 

(一応今の時点で購入できる商品を貼っておくけど、実際に使ったのはストレートタイプ。こういうチマチマした部品はすぐになくなってまた復活したりするので、色々調べてから購入されたし)

オスメスの両方がなかなか見つからなかったが、メス側の端子とアダプターで解決。

あとはちょいちょいと半田ごてで部品をケーブルにくっつけて圧着処理し、熱収縮チューブでシールドして作業終了。

きれいに出来た

最後にアダプターで端子を連結させてみる。

プッシュオン式とはいえ、結構ホールド力は強めで、よほど乱暴に扱ったり、いきなり力をかけない限りは外れたりはしなさそうだ。

以上でWiFiまわりの改良はひとまず完了です。

フレームまわりの改良に戻ることにした。